昨晩は恩師Sさんと飲み、色々考え直すきっかけになったのでそのことをつらつらと。

結論から言うと、もっと大きな枠組みでの思考を続けていこう、小さくまとまらないようにしようと、そんなことを思うわけです。最近はめっきりその逆を目指していました。就活、修論含め、自分が思い考えてきたことをうまく枠踏みにはめていくような作業を意識的にやっていたわけです。もちろんそれはそれで大事なのですが、確かにそこに注力するあまり大きな枠組みでの思考を伸ばせていなかったように思います。そのあたりをさすが見抜かれましたね笑

少しくらい歯が浮いても、「これからの社会はこうあってほしい」「これから世界はこう変わっていく」「次世代の国づくりとは何か??」そんな大枠で物事を悩み考えることを続けていくことが大事だなと感じました。

さてさて、ということで今日は休み返上で、そんな大きなことに思いをはせているわけです。今回投稿は本当に内省という感じなので、ご了承ください笑 大きなことを思い描くためには、まずは自分の中に潜ること、というどこかにありそうな理論を頼りに、まずは自分のルーツを内省していきます。

 

そもそも、今の自分を作るに至った考え方は、「世の中の問題を解決していくためには仕組みが変わらないといけない」というものだったように思います。

ミスチル信者だった私は高校生くらいから漠然と「社会をよくしたい」みたいなことを思っていたわけです。今こうして書くと恥ずかしくて、こうやって言い訳がましい後付け分を付け足すわけですが笑 貧困、環境、経済格差、過疎化、テロ、自殺などなど、特定のテーマがあるわけでないものの、漠然とこのままでいいのかと感じていたのだと思います。

大学に入って色々学び考える中で、一つ感じたのは「自分が社会をよくする」といった自分を主体に置いた考え方ではなく、「自分を含めた、社会の仕組み全体が大きく変わること」という今でいうならシステム思考に近い考え方の重要性でした。今でも思っていることですが、原体験の乏しい自分にとって、自分が主体となって何かを変えたいと考えること自体に少なからず抵抗感を覚えていたように思うわけです。例えば、大学で開発関係のことを専攻しつつも、自分が見ているものは貧困という「問題」であって、そこに生きている一人一人の人間性を無視していることに違和感を感じていました。そこに生きる人との間に有機的なつながりを見いだせない自分がいたわけです。

しかし、そこにつながりを見いだせない一方で、こうした問題について、それでも自分にできることは何かと漠然に考えていた日々でした。そんな中、「仕組み」という言葉がキーワードに上がっていったようい思います。自分が生きている世界そのもの、そこには自分との間に有機的なつながりがある、自分を含めたその仕組みが変われば、結果的に社会をいい方向にシフトさせていけるのではないか、そんな感じです。

そして至ったテーマが「企業活動という仕組みを社会課題の解決にいかに結び付けていくか」という今の研究につながるものです。世の中の仕組みを形成しているものは他にもたくさんあるのですが、政治への失望、自分の能力の低さなども相まって、一番身近な「ビジネス」という考えに興味持ったのだと思います。そのテーマの中核は「社会的価値の創出に経済的なインセンティブを付ける」という命題でした。儲かるというインセンティブが働けば、企業という巨大なもの、かね、ひとが動いていくはず、という仮説です。今となっては結構広く認められている考えですね。

大学2年(今から4年前くらい)にかいたレポートでは、「社会的投資の評価軸に、BOPビジネス等の積極的な社会的価値の創出を含めていくべきだ」みたいな突拍子もないことを書いて先生を困らせていたように思います笑 今思えば「インパクトインベストメント」みたいな話を知らずの間にしていたのですね。あの時の論理は確かに幼稚だったかもしれませんが、根底にあるものは今でも変わっていないのだろうなと思います。そしてその時の先生も、授業に全然関係のない本テーマを勝手気ままに書く学生を「優秀な学生」として評価してくれたことも一つ感謝すべきことなのだと感じています。

何を言いたかったかというと、自分にとって今の研究テーマもBOPラボやその他の活動も全て、そのルーツをたどれば「どうしたら世の中の仕組み、その仕組みをつかさどる企業活動を社会的の価値の創出につなげていけるか」ということで一貫しているわけです。BOPビジネス、CSR、SRI、インパクトインベストメント、社会起業家、組織変革など、広く色々なことに手を出しているように見えて、その根底はぶれていない、ということです。なんだか自分に言い聞かせているようですが笑

最初は「社会的価値創出の経済的インセンティブを付加する」ということが仕組みを変えるための鍵だと思っていました。もちろん今でもそれが大事だと思っています。しかし、それだけではないな、他にも大事なものがあるなというのが学部後半での学びでした。それは人と組織という視点です。「社内社会起業家」という考えにすごく惹かれたのもそのためです。

企業という仕組みレベルでは確かに経済性というのが不可欠な動機となりますが、人や組織というレベルではそれだけではない「思い」や「志」といったものが確かに存在している、それを肌で感じる出会いにひどく感動したことを覚えています。こうした出会いとほぼ同時期に、シンクロニシティのように出会ったものがピーターセンゲなどの組織論者の本でした。「学習する組織」や「U理論」など、「人と組織がありたいと思う姿」を描き、仕組みの変革を伴ってその実現を目指していくという考えが、その時に自分には目から鱗でした。

結果、学部の頃の卒論は、「人と組織という視点と、企業や市場、ひいては資本主義という仕組みの視点、これらを分離して考えることはできない、BOPビジネスやCSR、SRIなどの本質はこうした多層における変化の帰結にすぎない」みたいな内容を書いたわけです。自分にとって、企業として経済的インセンティブを持って社会的価値の創出を行うこと、社会的価値の創出に経済的な意義を見出そうとすること、それを可能にする組織文化や市民社会風土の成熟といったテーマは一見ばらばらに見え、しかし強い相互関係を持っているものとして映っていました。

 

さて、そんなことを学部生の頃に考えていた、今も考えているわけです。これらのことを考えながら、BOPラボの立ち上げたり、日系シンクタンクでCSR評価の仕事をしたり、ARUNでの新組織立ち上げに関わったりと、色々なことに手を出してきました。特に、大学院への進学を決めたのはこうした大きな枠組みでの発想をもっと深めたい、既存の議論に載せるために枠にはめ込めるようにしたいと考えていたこと、シンクタンクでの仕事をもう少し続けてみたい、BOPラボでの活動をもっと膨らませてから社会に出たい、そうしたモラトリアム的な動機からでした笑

しかし、冒頭にも書きましたが、今の考えを枠にはめ込むことに注力し過ぎて、肝心な「大きなもの」を膨らませる作業を行っていたように思います。これを人は「小さくまとまる」というそうです笑

こうして振り返ってみると、自分の考えてきたことは「これからの企業の姿」ということになるのかもしれません。いや、そもそも「企業」という枠組みすら薄れて考えていると思います。長くなってきたので、この投稿はここで一端切ります。今回は自分がこれまでどう考えてきたのかを改めて振り返ってみましたが、午後はこれからのことについて考えてみたいと思います。