こうしたテーマは普段は避けているのですが、今日考えたことをちゃんとメモしておきます。色々調べていた関係でふと見かけた「特例子会社」について。ご存知の方も多いかと思いますが一応、Wikiいわく;

特例子会社(とくれいこがいしゃ)は、日本法上の概念で、障害者雇用に特別な配慮をし、障害者の雇用の促進等に関する法律第44条の規定により、一定の要件を満たした上で厚生労働大臣の認可を受けて、障害者雇用率の算定において親会社の一事業所と見なされる子会社である。

日本では障害者雇用について1.8%以上という法定基準があり、CSRの中でも重要なテーマの一つとなっています。そして、「特例子会社」は企業が出資者となって障害者の雇用を目的とした法人を立てることで、この障害者雇用の法定基準を満たそうというものです。色々、賛否両論のようですね。

特例子会社自体は上記の法定基準を満たすと言う意味でもちろん意味のある取り組みだと思います。ただ、自分の中で感じてしまうのは「本当にそれでいいのだろうか」ということです。あくまで個人的な感覚ですが、自分の中には「考えたくないものにはフタをしたくなる」習性があると思っています。「障害者」について、色々思い感じるものがあるからこそ、そこに壁を隔ててできるだけ関わらないようにする、そんな感じでしょうか。私の個人的な感覚ですが、多くの人にも共感してもらえるのではないかなと思います。

この特例子会社にも、何となく自分の中の感じ方が投影されているような気がしてなりませんでした。(もちろん、実態を調査したわけでもないので私の感覚的なもの、というのは分かって下さい。) 「企業」としていいことはしていても、それが人と人とが形成するコミュニティのあり方として「本当にそれでよいのだろうか」と思ってしまうのです。つまり、それはただ、「考えたくないものにフタをしている」だけなんじゃないのかと。

 

今回、自分の中で色々考えたのはやはり「ダイバーシティ(多様性)」という話です。同じ障害者雇用でも、ユニクロ(ファストリ)の取り組みは面白いなと思います。

一店舗一人を戦力として雇用する。1.8%という法令基準を大きく上回る数字以上に、店舗で雇用することに意味があるのだと思います。上述の特例子会社と比較してしまうのは、「どの程度、人と人とのコミュニティの中に多様性を創り出しているのか」という点です。乱暴な言い方をしてしまえば、ユニクロの店舗には、障害者を企業から切り離す特例子会社に比べると、本来あるべき多様性を持ったコミュニティが存在している、かもしれないということです。

 

1.8%という数字の上では、それはあくまで法令基準であり、コンプライアンスの問題でしかありません。しかし、「障害者との関わり方」というテーマで考えた時、その1.8%をどのように達成するのかということがまた別の問題として出てくるような気がしています。そしてその問題として感じているのが、そこにいる人達が「どこまで本気でその多様性を受け入れるようになっていくのか」ということではないかと感じているのです。

別に特例子会社を否定するつもりも、ユニクロの取り組みを絶賛するというつもりもないです。ただ、今回この話を取り上げたのは、そこに自分が考える「コミュニティにおける多様性のあり方」に通じるものがあったからです。それが何かということはまた次回以降考えていきたいと思います。

 

今回は結構書こうかどうか迷ったテーマでもあります。もしかしたらどなたかの気を害したかもしれないなと思ってもいます。ただ、「企業と社会」というテーマで色々学び考えていると、こうしたテーマを考えずにはいられません。単に「CSR戦略」としてのモノの見方ではない、社会中心の視点でこうしたテーマに臨みたいと思います。

ちなみに、ユニクロの障害者雇用は自分の研究テーマの中でも非常に有意義な示唆を与えてくれます。ダイバーシティによる職場環境への影響は色々なところで挙げられていますが、ここの記事で挙げられているように「行政との連携」というのも面白いなと思いました。私にとって「社会的価値の創出を経済性の観点からいかに正当化する」というのは大きなテーマです。CSVも色々言われていますが、私はその本質の一つは「社会の中でのコストの再分配」だと思っています。今回取り上げた取り組みはこうした点でも今後も動向を追っておきたいものなのです。